【CRMの通知表NPSの計算方法】CRMを極めた先にだけ最高のLTVが待っている

マーケティング
この記事は約8分で読めます。

Contents

CRMとは

CRMは「Customer Relationship Management」の略で、顧客とのリレーションシップを管理するためのシステム・戦略・手法の総称です。CRMシステムは顧客データを収集・分析し、顧客とのコミュニケーションを効率化することで顧客との信頼関係を構築し、顧客満足度の向上や顧客ロイヤリティの増加を目的としています。また、セールス・マーケティング・サポートなど業務の自動化も支援します。

CRMの定義は上述の通りですが、理想的なCRMとは、従来的な考え方で完全自動化された顧客リレーションと大きく異なります。

ビジネスモデルを磨き、自動化させたマーケティングに反し、完全個別対応を行う意気込みで取り組むのがCRMの極意だと考えています。顧客が自社サービスに対して絶対的な信頼を抱き、長期的な関係を構築することが可能な顧客ロイヤリティを創出することが重要です。

顧客ロイヤリティとは

顧客ロイヤリティは顧客が特定のブランドや企業に対して忠誠を抱き、継続的に製品やサービスを購入する傾向を指します。顧客ロイヤリティは顧客満足度、ブランドイメージ、顧客との信頼関係などに影響されます。顧客ロイヤリティは長期的なビジネス成功にとって重要な要素であり、顧客の収益確保や新規顧客の獲得費用の削減などのメリットがあります。

顧客ロイヤリティを向上させる方法

顧客ロイヤリティを上げるための方法には次のようなものがあります:

  1. 顧客満足度の向上:顧客のニーズや要望に応じた商品やサービスを提供することが大切です。
  2. 顧客とのコミュニケーションの強化:顧客とのコミュニケーションを通じて顧客との信頼関係を構築することが重要です。
  3. 個別対応:顧客に対して個別対応を心がけ、顧客のニーズや要望に対応することが大切です。
  4. プロモーションや特典の提供:顧客に対する特典やプロモーションを提供することで顧客ロイヤリティを高めることができます。
  5. 顧客フィードバックの反映:顧客からのフィードバックを取り入れ、顧客満足度の向上に取り組むことが大切です。

これらの方法を組み合わせることで顧客ロイヤリティを向上させることができます。
3番以降の方法については特に企業ごとの特色が反映される施策となります。

一般的に、CRMに掛ける予算は全体マーケティングコストの25%に設定することをお勧めします。
それほどまでに、既存顧客への資本投下は有効であるということです。

CRM支援ツールを提供する代表的な企業

CRMに注力している企業は多岐にわたりますが、次のような企業が挙げられます。

  1. Salesforce:CRM市場を牽引する大手のCRMプロバイダーです。
  2. Oracle:大規模な企業向けのCRMソリューションを提供する企業です。
  3. Microsoft Dynamics:Microsoft社が提供するCRMソリューションです。
  4. SAP:ERPシステムとともにCRMソリューションも提供する大手企業です。
  5. Hubspot:マーケティング、セールス、カスタマーサポートなどの一貫した顧客とのエンゲージメントを支援するCRMソリューションを提供する企業です。

これらの企業は顧客とのエンゲージメントを支援するためのCRMソリューションを提供しており、多くの企業に利用されています。
多くの中小企業ではエクセルで顧客情報を管理し、複数の関数を駆使しながら顧客ランクを管理することがありますが、その方法も決して問題ではありませんので、徹底した顧客目線で個別対応を行えるように心がけてみて下さい。

徹底した顧客目線を行うことで、顧客エンゲージメントを最大限に高めるようにしましょう。

顧客エンゲージメントとは

顧客エンゲージメントは、顧客との良好な関係を確立し、顧客満足度や忠誠度を高めることを目的とするマーケティング手法です。この方法は、顧客に対するコミュニケーションやサポート、マーケティングキャンペーンなどを通じて、顧客との関係を構築し、顧客のニーズを把握し、顧客の評判や満足度を向上させることを目的とします。顧客エンゲージメントは、顧客忠誠度を向上させ、リピーター顧客を増やし、売上向上などの経済的メリットをもたらすことが期待されます。

顧客エンゲージメントが高い企業例

顧客エンゲージメントが高い企業には次のようなものがあります:

  1. Amazon:顧客のニーズを把握し、高い顧客満足度を提供することに力を入れています。
  2. Apple:顧客エクスペリエンスを重視し、デザイン性や使いやすさを追求しています。
  3. Disney:顧客に対するエンターテイメントを提供することを重視しています。
  4. Starbucks:顧客とのコミュニケーションを通じて顧客満足度を高めることを重視しています。
  5. Zappos:顧客サポートに力を入れており、顧客満足度を高めることを重視しています。

これらの企業は顧客との友好的な関係を構築することを重視し、顧客満足度を高めることに力を入れています。

それでは実際にあなたの会社、サービスの顧客エンゲージメントをどうやって測るかについてお伝えします。
サービスの顧客エンゲージメントを計る指標としてNPSというものがあります。

NPSとは

NPS(Net Promoter Score)は、顧客の満足度や忠誠度を測定するための指標です。NPSは、顧客に「このブランド/製品/サービスを今後もお勧めしますか?」という質問を行い、その回答に基づいて顧客を「推薦する」「推薦しない」「わからない」の3つのグループに分類します。「推薦する」グループからの回答者数から「推薦しない」グループからの回答者数を引いた値がNPSです。NPSは0から100の数値で表され、高い値は顧客満足度や忠誠度が高いことを示します。

サンプル数は最低でも400以上集めることが重要です。(顧客数が少ない場合は有効に働きません)
また、精度を高めたい場合サンプル数が2,000以上必要となります。

この辺り、詳細はこちらのサイトをご参考下さい。

NPSを高くする方法

NPSが高いサービスは、顧客の満足度や忠誠度が高いことを示しています。NPSが高いサービスに共通する特徴は以下の通りです。

  1. 顧客ニーズを把握し、顧客中心のサービスを提供する。
  2. 顧客サポートが優秀で、顧客の質問やトラブルに対応する。
  3. 新しい製品やサービスの提供、顧客の要求に応える。
  4. 顧客とのコミュニケーションを促進することで、顧客との信頼関係を確立する。
  5. 顧客が期待する品質と価値を提供する。

NPSが高いサービスは、顧客満足度や忠誠度が高いため、顧客リピーター数が多く、売上向上などの経済的メリットがあることが期待されます。

NPSが高いサービス例

NPSが高いサービスの例としては、以下のようなものがあります。

  1. アマゾン:オンラインショッピングを提供するeコマースサイト。配送速度や品揃えなどが顧客に好ましいと評価されています。
  2. ユニクロ:ファッションブランド。低価格ながらも高品質な製品を提供することが顧客に評価されています。
  3. エクソン・モービル:ガソリン・石油製品などを提供するエネルギー企業。顧客サポートや製品品質などが高く評価されています。
  4. スターバックス:コーヒー・フードなどを提供するコーヒーチェーン。店内の雰囲気や顧客サポートなどが顧客に評価されています。

これらの例は、顧客のニーズを把握し、顧客中心のサービスを提供することが大切であるということを示しています。また、NPSが高いサービスには、顧客満足度や忠誠度が高いことから、顧客リピーター数が多く、売上向上などの経済的メリットが期待されます。

CRMがうまくいくとLTVが伸びる

CRM施策がうまくハマってくると、必然的に顧客のサービス継続率、継続期間が伸びます。
その結果、LTV(Life Time Value)が最大化されます。

サービスを長く継続するためには、LTVが伸びる必要があります。
一般的にLTVが伸びなければサービスの継続性は低く、事業として成り立ちません。
(一部、データ収集をメインとする場合においてはLTVを意識する必要はありません)

LTVとは

LTV (Lifetime Value) は、顧客の一生にわたる売上額を表すものです。LTVは、顧客との取引を通じて得られた利益を予測するために使用されます。LTVは顧客の購買頻度、購入金額、顧客の保持期間などを考慮して算出されます。顧客のLTVが高いことは、顧客が長期的に売上を上げる可能性が高いことを示しています。LTVに基づいて、マーケティング戦略や顧客リテンション戦略などが立てられます。

つまり、LTVを上げることとはCRMそのものであると言えます。
グロースアップのタイミングサービスをリリースしてから、広告宣伝費をかけ始めるタイミングは多くの経営者が悩む点です。
サービスを大きくグロースさせるために広告宣伝費を掛ける選択肢がありますが、実際にはCRMがうまく回り、LTVが最大化されつつあることが確認されたタイミング以外にその選択肢を取ってはいけません。

CRMがある程度うまく回り、LTVが最大化されていない状況で広告宣伝費に多大な投資を行うと、焼石に水状態となり、バケツに穴が空いた状態で水を注ぎ続けることになります。また、悲惨な副産物としては一度ネガティブな印象を見込み客が抱いてしまうことで再獲得が困難になることが挙げられます。そのほか、間接的にCPAが高騰し広告投資効果が薄れてしまうことも懸念されます。

CRMを制してLTVを最大化するのは一歩ずつ

最後に、LTVを最大化させるためには、一歩ずつ小まめな個別対応を繰り返すしかないことをお伝えします。自社の弱み、他社の強みをしっかりと理解しサービスを改善しながら、他者の弱みを見つければそれを自社の強みに変える。本当に地道なPDCAを回す必要があります。

一人一人と対話しながらしっかりと受け入れられるサービスへと進化させ、将来的には顧客が顧客を呼び起こすようなNPSの高いサービスへと変化しましょう。

関連記事

本を読む時間が無いなら要約で大量インプット。本の要約サイト「flier(フライヤー)」が優秀なビジネス補助ツールとなる。