対外的に説明しやすいKPI(指標)の簡単な作り方TIPS

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3.0

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今回のTIPSでは、会社説明・サービス説明、優位性等を説明する時に必ず必要となる各種KPI(指標)を、自社のことをあまり知らない人に分かりやすく、説得材料としてピックアップする為の方法を紹介致します。

ここでのポイントは、対外的に分かりやすい=納得感があるという点です。
社内で掲げるKPIと必ずしも同じである必要はありません。今回紹介するTIPSを活用するシーンは、あくまで対外的な理解を得やすくするという点にあります。

1、上場している競合企業や、同業種の上場企業をリストアップする

まずはじめに、自社の事業領域を明確にし、上場企業から競合になりえる企業や競合と思わしき企業をリストップしましょう。明確に競合としてベンチマークしている企業が中小企業の場合がほとんどかと思いますが、情報を吸い上げることが困難な為、ここでは上場企業に一旦絞りリストアップしてください。

オンラインエクセルやスプレッドシートなどを活用して、分担してリストアップすることがおススメです。リストアップの際は、企業名、業種、サービス名、コーポレートサイトのURL、リストアップした理由あたりを列挙し、最終的にチーム内(もしくは個人)でリストの妥当性を検討し、リスト作成を終了させて下さい。

2、リストアップした企業のIR資料室にアクセスする

無事にリストアップが完了したら、各企業のコーポレートサイトへアクセスし、IR情報ページにアクセスしましょう。たいていは「IR」「株主の皆様へ」「IR資料室」等のページ名がつけられています。

今回、上場企業に絞り込んだ理由は、この「IR」情報が目的です。IR情報には、普段中小企業等が公開する必要のない、経営や事業に関わる重要な指標が示されています。

本来は、株主への情報発信が主の目的となりますが、ベンチマークしている企業からすると重要な情報の源泉となります。四半期ごとに競合企業のIR情報は取りに行くようにするのがベターです。


3、各種資料をダウンロードする

IR情報が表示されているページには様々なデータが掲載されています。今回特に必要なデータは、「XXXX年XX月期決算説明資料」といった、決算説明会や決算説明に使用されてたPDFファイル(レイアウトは、プレゼンテーション調のデータ)をダウンロードしましょう。

重要な指標が株主にとって分かりやすく掲載されているケースが多いので、そのデータを取りに行きます。
※企業によっては重要指標が全く掲載されていないケースもありますので、リストアップ時に絞り込みすぎるのは避けましょう。

4、各IR資料に掲載されている各社のKPIを書き出す

ダウンロードした決算説明資料から、各種KPIを全て書き出しましょう。
ベンチマークするべきサービスについての、売上高、営業利益、顧客単価、平均継続率、会員数、PV数、アクティブユーザー率、広告投資、設備投資、LTV、ユーザー属性等、書き出せるkPIは全て書き出しましょう。

5、各社のKPIと自社データを比較

書き出したKPIの中から、自社サービスと照らし合わせて表現が可能なKPIか否かを判断し、可能な限り自社の状況を併記し、次のように区別出来るようにしましょう。

・自社が優れている場合は「〇」
・どちらともいえない場合は「△」
・自社が劣っている場合は「✖」

また上記の「〇」「△」「✖」の評価に対して理由をしっかりとコメントで残しておくと後学にも役立ちます。

6、強調させるKPIを決める

改めて整理すると、今回のTIPSは、自社に対する理解が乏しい社外に対し、理解しやすいデータを集めることです。

上記でまとめた指標から「〇」評価を得た指標を中心に”勝てる”理由や、この市場に”挑戦”出来る体力が自社にはあるし、可能性があるという論理展開が出来るように資料を組み立てましょう。

説明においては、あえて「△」や「✖」評価の指標も混ぜ込み、「✖」を「△」に移行させるために、■■■な施策を実行していますなどのストーリー構築も有効です。

IR情報が充実してる企業

自社が競合と認識している企業のIR資料だけではなく、世の中で高く評価されている企業が発信するIR資料は必ずチェックするようにしましょう。

資料作成において大きな気付きを得られるとどうぞに、新規事業へのアンテナにも進化します。
IR優良企業相2020受賞企業をリストアップしましたので、是非ご確認されたらと思います。

IR優良企業賞2020 受賞企業より“共感!” IR賞(共感賞)選定企業17社

2607 不二製油グループ本社
2768 双日
3182 オイシックス・ラ・大地
3231 野村不動産ホールディングス
3407 旭化成
3673 ブロードリーフ
4151 協和キリン
4658 日本空調サービス
4927 ポーラ・オルビスホールディングス
6305 日立建機
6367 ダイキン工業
6856 堀場製作所
8035 東京エレクトロン
8252 丸井グループ
8630 SOMPOホールディングス
9432 日本電信電話
9644 タナベ経営


いかがでしたか?
KIP設定のひとつのヒントになれば幸いです。