『エマニュエル・トッドの思考地図』に学ぶ、現代最高の知性が明かす思考の極意TIPS

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今回のTIPSでは、フランスの歴史人口学者であるエマニュエルトッド氏の著書「エマニュエル・トッドの思考地図』を題材に、思考の極意を紹介致します。

エマニュエル・トッドの思考地図

時代の趨勢を見極め、その先を見通す知性をいかにして獲得するか。現代を代表する論客が、自身の思考の極意を世界で初めて語りつくす。完全日本語オリジナル。


エマニュエル・トッド氏とは

Emmanuel Todd

エマニュエル・トッド氏について知らない方はWikipediaなどで調べて頂ければと思います。念の為Wikipedia掲載の引用文を掲載致します。詳細は引用下部のリンクをご参照下さい。

エマニュエル・トッド (Emmanuel Todd, 1951年5月16日 – ) は、フランスの歴史人口学者・家族人類学者である[1]。人口統計による定量化と家族構造に基づく斬新な分析で知られる。フランス国立人口学研究所 (INED)(フランス語版) に所属していたが、2017年5月17日付けで定年退職した[2]。2002年の『帝国以後』は世界的なベストセラーとなった。経済よりも人口動態を軸に歴史を捉え、ソビエト連邦の崩壊やイギリスのEU離脱、アメリカでのトランプ政権誕生を予言した。

引用:Wikipedia

エマニュエル氏の思考方法は合理的な考えから生み出されるものではなく、事実(ファクトベース)を重視したものである点が特徴的です。歴史的事実や統計データをもとに様々な検証を行い、新しい発見を見出していくスタイルに学ぶべき点が数多くあります。

今回のTIPSでは、そうしたファクトベースの思考方法を掘り下げていきます。

良い研究とはどういう研究か

本書では、良い研究の進め方をひとつのテーマとして取り扱っています。皆さんが思い浮かべる良い研究の進め方とはどういった進め方でしょうか。

著者が考える良い研究の進め方とは、本来研究の柱とはならない部分に関係する情報収集を行うことが重要であると説いています。一見関係のないもの同士の繋がりに気づくことが最も大切だと言います。

良い研究とはどういう研究かイメージ

そして、そうした柱から外れた部分に関係する情報収集についても突き詰め始めると終わりがないため、どこかで勇気を持って結論づける必要があります。この結論づける勇気をどのタイミングで発揮出来るかといったところを上手にコントロールできる研究こそ良い進め方と考えられています。

何より重要なプロセスはこれらの研究を進める際に、一般的に考えると人間はこうするだろうといった、合理的なプロセスに依存しないことと記されています。合理的な考えで組み立てを行うのではなく、ファクトベースで事実からの積み上げで論理展開することを重要視しましょう。

ファクトベースで思考する意味

ファクトベースとは、データや歴史から論理展開を行うことを指します。特に歴史的な事象は経験則からくる重要な判断材料となります。「人間とは何か」といった抽象的な考え方から出発する合理的な論点はどこかで間違えてしまう可能性を大いに秘めています。

なぜなら、「人間とは何か」といった抽象的な考えには固定観念や先入観が多分に含まれる為、論者によって大きな偏りが生まれてしまいます。

歴史的は繰り返されるとは良く言いますが、歴史的に繰り返されている事実こそ、先人が残した大切なデータなのです。温故知新といった考え方もこの歴史から「人間とは何か」を教えてくれる大切な考え方です。こうした考え方から、エマニュエル氏はファクトベースでの思考を重視しています。

皆さんは普段何かを考える時、ファクトベースで考えていますか?それとも合理的なアプローチで考えていますか?是非、日常生活にファクトベースを取り入れてみましょう。

合理的な考え方とファクトベースの違いイメージ

私たちの身の回りで最も顕著に現れているのが投資ではないかと筆者は考えています。
歴史では、ドル・コスト平均法という10~30年など長期スパンでの資産形成を前提として、コツコツと分散投資することが最も安全かつ確実な投資方法であると言われています。それにも関わらず、仮想通貨などの投機的な投資に対して合理的な理由を見出してしまう方が多い印象です。

意外とファクトベースで考えるのは難しいことを表す実例でしょう。

社会をよく理解するための方法

著者は社会をよく理解するための方法についても紹介しています。その答えは非常にシンプルで、社会を知りたければ「外」を知ることが重要であるということです。個人的な経験や出身地などにおいて、その社会の外側に属している部分が必要であるということです。

このいわゆる「外在性」は、旅行などで「外」に触れることでも育むことができるものです。また、実際に「外」に出かけることだけでなく、古書を読んだり、SFといった創造的なストーリに触れることも「外」に触れられるキッカケとなります。こうしたキッカケをルーティンにしておくことで無理なく「外在性」を育んでいくことが可能となります。

「外」に触れることで「外在性」を育む理由は、全てのアイディアや事実を比較することを目的としています。データや歴史は常に過去と現在のものを比較しながらファクトベースで検討することが可能です。比較するための引き出しを増やす行為こそが、より良い思考法に近づく一歩です。

アイディアが創出されるプロセスイメージ

そして、より良い思考法の最高のアウトプットであるアイディアは、上記のルーティンで蓄積された、データ同士が意図せず繋がったという経験のことを指します。こうしたアイディアを生み出すためにも、日々データを蓄積しながら比較しファクトベースで物事を捉えるようにしましょう。

今後の世界の流れ

そして、今私たちにも著者と同じように思考を磨きながら世界の流れについて考えることが出来るようになりました。

ポスト・コロナについて今後世界はどういった動きをするのか、そうしたことを想像するためにもこれまで繰り返してこられた歴史を振り返り、日々更新されるデータを取り入れ、経験則に基づくファクトベースな考え方で未来予想をしてみましょう。

著者が予測する、ポスト・コロナの世界は、是非著書を購入して頂き実際にその目で確認して頂ければと思います。

エマニュエル・トッドの思考地図

時代の趨勢を見極め、その先を見通す知性をいかにして獲得するか。現代を代表する論客が、自身の思考の極意を世界で初めて語りつくす。完全日本語オリジナル。


いかがでしたでしょうか。

今回のTIPSでは、エマニュエルトッド氏の著書「エマニュエル・トッドの思考地図』を題材に、思考の極意を紹介致しました。

様々な発見や学びに繋がりますと幸いです。