【新人向け】助さん格さんのような経営企画室になる為に必要な、貴方に求められる基礎スキル７選

経営企画室とは

経営企画室に初めて配属された”経営企画室初心者”に向けた抑えておきたい基礎スキルを紹介致します。
経営企画室とは、経営者の参謀であると例えられるほど、経営者と密接な関係にあります。
経営者が、大事な経営判断を行う際に必要な情報を集め、分析し、適切に報告します。
どれだけ偉大な経営者も、時に迷い、悩むものです。そうした時に、参謀としてしっかりとサポートすることが重要です。まさしく、水戸光圀に仕えた家臣、助さん格さんに通ずるところがあります。

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海外の経営企画室は？

実のところ経営企画室は日本特有の部門です。
海外の多くの企業には経営企画室が設置されていません。（経営企画部等も）
中長期経営計画の策定等、経営企画室が行っている業務のほとんどを海外企業の場合、CFO直下チームが行います。
ファイナンスと密接に関わる領域であるだけに、CFO直下で進められます。
合理的な資本主義と突き詰めた結果、中長期経営計画や会社の指針は会計に基づいて行われる考え方ですね。
これらと対比して、日本の多くの企業はウェットな要素が求められています。
日本の経営企画室で活躍した人が海外で活躍出来るという方程式はまだ見つかっていません。
本質的に求められることは共通していますので、しっかりと実績を積めば心配はありません！

経営企画室に配属される人材の経路

皆さんが勤めている会社の経営企画室にはどういった人が配属していますか？
従業員が30名以下規模の会社の場合は、そもそも経営企画室が存在していないケースも多数あります。
そうした規模の場合は、社長が経営企画室の業務を兼任しているケースが多いです。
その他、経営企画室が本来担当する業務を経理部や管理部、はたまた営業部のキーマンが担うことが多々あります。
基本的に50名規模以上の場合、経営企画室が設置されている印象を持っています。
特にベンチャー企業の場合は、エクイティファイナンスを意識する時期から経営企画室が設置されることが多いかと思います。同時に、CFO採用も始まるのが特徴ですね。
と、ここまで経営企画室が設置される企業例を上げましたが、次に経営企画室に配属される人材の、採用経路を紹介致します。

経営企画室に配属される採用経路例

いかがでしょうか。経営企画室が設置されている企業にお勤めの方は心当たりありませんでしょうか？
もっぱら、上場企業の場合は、ほとんどの経営企画室キーマンが上記２種類から構成されています。
新卒でいきなり経営企画室配属となる場合は、ほとんどのケースで実務ではなく事務作業メインとなります。

経営企画室に求められる業務

上場企業の経営企画室担当者の多くは年中、中長期経営計画の策定に追われています。
略して、「ちゅうけい」と呼ぶ人を多く見かけます。

中長期経営計画の策定に伴い、社内・社外の情報収集、予実状況、M&A検討等多岐に渡る業務があります。
また、コーポレート広報といった全社共通機能を経営企画室に持たせるケースも多いですね。

経営企画室で求められるスキル

経営企画室で特に必要なスキルを紹介致します。
これは筆者の個人的見解も含まれますが、経験上概ね必要ではないかと思います。

上記７種類のスキルやマインドを持つことが非常に重要です。
それではひとつずつ解説していきます。
ここには上げていませんが情報収集力や間接部門との連携、情報分析能力、企画立案力といったスキルも当然求められるますが、いきなり全てが出来るわけでは有りません。
まずは上記７つのポイントを意識していきましょう。

営業力

営業力は必須スキルとなります。
経営企画室は、社外との関わりも深くなります。
自社、自社経営者、自社サービス、自身のことそれら全てが商品となります。
経営企画室の振る舞いや営業力により、大概的な地位や見え方、今後関わりたいと思って頂けるかどうかに影響します。
そうした意味では、経営企画室は大局的な営業を行うケースが多く、営業力が求められるポジションとなります。
ただし、販売パッケージがあるような営業ではない為、多くの創意工夫や柔軟性が求められます。
平たく言うと、自社という商材を取り扱う営業責任者となります。

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交渉力

交渉力は多くの場面で必要となります。
自社の企業価値を高めていく、どうすれば利益が出るか、自社サービスのどこに課題があるのか、人材課題はあるか、原価に課題はあるか、等、経営企画室は多くの課題に取り組む必要があります。
そうした課題と直面した時に、ただただ正しい結論を伝えたからと言って何も現状は変わりません。
zisya が求められます。
人は正しいからといって理解する訳ではないため、相手に合わせてしっかりと交渉する必要があります。
特に社内に対して影響力を持つことが重要です。
先般紹介した、アリストテレスが提唱したプレゼンテーションに必要なことは、ロゴス・パトス・エトスに通づるところがあります。時間がありましたら是非ご一読下さい。

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ネットワーキング力

ネットワーキング力と聞くと、どんな印象を持ちますか？
経営企画室に求められるネットワーキング力は多種多様です。
これこそ各社の経営企画室の色が出るところかなと思います。
金融系に強い経営企画室は、銀行やVC、証券会社で決済権を持つ立場の方と多くの交友関係を持ちます。
現場に強い経営企画室は、主に業務をアウトソースする様々な業種の方々とのネットワークを持ちます。
あなたが経営企画室として求められている立場に応じて必要なネットワーキング力を培いましょう。

エクセル

言わずもがな、エクセルに類する表計算ソフトは使えるようになりましょう。
会計ソフトから出力されるデータだけでは本質に迫ることが難しいケースが多く、様々なデータを繋ぎ合わせて本質を導き出す必要があります。
そうした時に、エクセルは必需品となります。
一般的な関数はもちろん、印刷設定や書式設定といった、報告を意識したスキルも身につけましょう。
エクセルの必要スキルについては過去記事でいくつか初回しているので是非ご覧下さい。
・エクセル関数辞典
・スパークラインの作り方

パワーポイント

パワーポイントやキーノート、ソフトの種類は問いませんが、しっかりと相手に伝えられる資料作りが求められます。
経営に必要な情報をまとめた資料、エクイティファイナンスを実施する際にデューデリジェンスで求められる資料提出、株主への説明資料、決算説明会資料、上げ始めるとキリがありません。
それだけ多くの資料作成機会があります。
一部の企業ではパワーポイント離れが進み、テキストのみで構成する文化が醸成されるケースもあるようですが、まだまだ多くの企業ではパワーポイント等の資料作成が求められています。

・アマゾンのすごい会議。ルールは「パワポ禁止、箇条書き資料禁止」
・Amazonの会議はパワポ禁止　「事前に資料は配らない」理由

会計の知識

経営企画室にも様々なポジションが存在しますが、共通して言えることは会社の成績をしっかりと見極めるポジションであることです。
会社の成績は、損益計算書、貸借対照表、製造原価報告書といった会計帳票で見ることが出来ます。
これらの帳票は一般的に経理部が入力した仕分けをベースに組み上げられます。
彼らが入力したデータをベースに分析を開始することになりますが、意外とヒューマンエラーによる仕分けミスが多いことに気づきます。
会計の知識や、現場知識があればミスに気づくことが可能ですが、これらがなければヒューンエラーに気づくことは容易ではありません。
多くの分析を行う上で、会計的な知識は必須となります。税理士や会計士といった専門家に依頼するケースが多い為、高い専門性はプロに任せれば良いと思いますが、最低限会話できるレベルの知識を持つことがベターでしょう。

愛社心

これまで長々と紹介しましたが、一番大切なのは自社をなんとかしたい、どうにか大きくしたいといった強い愛社心が最も重要です。
冒頭紹介した採用経路に、長年勤めてきたキーマンが配属される理由がここにあります。
しっかりと、会社の航路に向き合う気持ちが大切です。

最後に

いかがでしたか。
経営企画室について解説する多くの書籍や記事、セミナーでは知識やノウハウを中心に紹介されることが多いかと思いますが、実情は実に泥臭く人間っぽさを感じる部署となります。
（もちろん、スマートな会社やドライな会社も多数あります！）
皆さんが経営企画室に配属された暁には、愛社心に溢れた人間味のある経営企画室へと変貌して頂けますと幸いです。
なんだかんだ、経営企画室が機能している会社は強い。頑張りましょう！

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