かつて米国でハイテク産業の2大拠点といえば、ボストン近郊のルート128号線沿道一帯とサンフランシスコ南方に位置するシリコンバレーが両雄として知られていた。両地域とも1980年代に苦境に陥ったが、その後の足取りは明暗を分けた。デジタル化の波に乗って1990年代に復活したシリコンバレーとは対照的に、ルート128はその後も低迷を続けたのだ。転機が訪れたのは2010年代のことだ。新たなデジタル化の進展により、IoT、ロボット、バイオ、環境、エネルギーなど物理的な技術開発を伴う「ウェットラボ」の領域にも可能性が広がった。モデルナ社の成功には、こうした環境変化に親和的な地域特性が影響しているようだ。

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